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『西山英雄展』  [アートな事]

 

 『西山英雄展』 没後20年 画業回顧展

ポスター西山英雄.jpg

●会 期   平成21年10月1日(木) ~11月3日(火 )
【休館日 10/5(月)、13(火)、19(月)、26(月)】
 
●主 催   鹿児島市、鹿児島市教育委員会、
         鹿児島市立美術館 、南日本新聞社、
 KYT鹿児島読売テレビ 

●後 援   鹿児島県

●観覧料 一般 800 円( 600 円)
高大生 600 円( 400 円)
小中生 400 円、親子券 1000 円
※( )内は前売り料金及び障害者手帳提示者
※所蔵品展も観覧できます。

日本画家西山英雄(1911~1989)の没後20年にあたります
   西山は京都に生まれ、四条派の流れを汲む叔父西山翠嶂主催の
画塾青甲社に学びました。
その画風は、京都の優雅な日本画の伝統とは一線を画するものがあり、
洋画の表現を取り入れた豪壮華麗な新境地を示しています。
画題も日本の山岳をはじめ、中国やヨーロッパなど
海外の風景に取材した作品も数多く描いています。
なかでも、桜島にはライフワークとして取り組み、
その生涯に何度も鹿児島の地を訪れました。

 本展覧会では、作画活動初期から晩年にいたる西山の代表作を展示します。
また、本画に関連する素描もあわせて紹介して、
創造の軌跡をたどります。 (美術館HPより抜粋)

http://kagoshima.digital-museum.jp/artmuseum/html/nishiyama.html

 

前評判で楽しみにしていた西山画伯の個展。
実を言うと絵描きとして恥ずかしいことだけど、
日本画はちょっと難しいなぁ~って思う気持ちもあって。^^;
本当は殆ど知らない画家でした。
でも、名前は知らなくても、観たことのある絵があった。

前売り券を買って期待に胸膨らませながら市立美術館へ向かう。
お目当ては表紙にもなったこの絵。

07-A4.jpg「薩摩」

 

会場に入るといきなり大きな作品がずらりと並んでいる。
でも、半分は透明のアクリル板に保護され
本当の意味でのオリジナルを感じられないものもあった。

会館の蛍光灯と白い床と見物人(自分を含め)が映りこんでいて
いらないものが絵の味を損ねていて大変残念でした。

アクリル板に保護されている絵とそうでない絵、
なぜなのか?係りの方に訊いてみた。
簡単に説明すると「所有する団体・個人の意向」ということでした。
それはそれでしょうがないので、せめて・・・・展示の工夫をしてほしいですね。

今回は鹿児島での展覧会というだけあって、
鹿児島にちなんだ絵が多く、クレパスで描く桜島の素描が非常に興味深かった。

 

中でも私の印象に残った作品の感想を書いてみます。

 

完成された桜島の大きな絵は大小合せて10点はあったかな?
対照な雪景色の白い桜島、夕刻の黒い桜島、燃える真っ赤な桜島、
存在感を圧倒する黄金の桜島・・・

e71222.jpg「薩摩雪」

 

鹿児島ではないが、1934年に帝展に特選受賞した『港』はしばし見とれてしまった。
今にもその港にタイムスリップしそうな感覚に陥った。
時は大正?昭和初期?のレトロな港。
人力車が客船から降りてくる旅人を待っている。
見上げるほどに大きなサイズのカンバスは澄み切った空と船と壁、
隅々まで絵の具が載っている。
素晴らしい作品だ。

minato.jpg「港」

 

その近くにある『神戸商館』という作品、
洋画風日本画で、岩絵の具を丁寧にレンガや瓦の部分で盛り上げている。
色合いがまた実に爽やかで、オレンジの清清しい濁りのない塗り方が私はとても好きになった。
構図は真正面の玄関といくつも並ぶ窓。
平面的に描かれてるが、存在感が浮き出ている。
日本画にはないパステル調の色合いが目を引く。

 

 

他に心惹かれた絵は『九龍壁』『瀬戸内』『海潮(屏風)』『さい果て』『火焔山』『比良薄暮』
『富士西湖』 色んな勉強をさせてもらえた絵ばかりでした。

瀬戸内.jpg「瀬戸内」

07010500.jpg『火焔山』

比良薄暮a.jpg『比良薄暮』

nihonga04-1.jpg『富士西湖』

 

鹿児島ゆかりの作品群は
斬新でしたね・・・・特に桜島は。
描き込み過ぎず、雄大さと迫力を描く。
静寂さと躍動感を描き分けて、飽きさせない。
怪しい空に浮かぶ白い薄い満月。
日本画特有の技法を使いながら、洋画の要素も見える。
『山には色がある』今回の展覧会のテーマに頷く閲覧時間でした。

 

07010800.jpg『残照』
 


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コメント 4

monk

薩摩雪はポストカード持ってます。誰の絵かも知らずに、
凄く気に入ったので大分前に買ったのですが。。桜島万歳!?^^

by monk (2009-10-18 23:35) 

yuko

monkさん
そういう誰の絵なのか分からないけど凄く気に入った絵ってありますよね。
私も沢山あるんですよ。(笑)
殆どが海外ですけどね・・・だからもっと分からない。^^;

この薩摩雪、私も絶賛します。
こんな白い桜島・・・・あまりに無謀で県人は描けないような気がします。



WIZARDさん

KAZUYAさん

KENNYさん

tubomiさん

monkさん

翠川与志木さん

irukaさん

DEBDYLANさん

たかひろさん

nyanさん

ナイスありがとうございます。
芸術の秋、美術館へ足を運んでみませんか?^^♪
by yuko (2009-10-19 23:00) 

monk

確かに、地元じゃない人ならではの視点ってあるでしょうね?そこに価値があると。
『鹿児島の人は灰が降ると嫌がるけど、僕はうれしくてしょうがない』みたいなことを
仰ってたとか(笑)。生活感や郷土愛とかは無縁のただ自然への敬意や賛歌(?)

ちなみに、海老原喜之助さんのポストカードも1枚持ってたことに気付きました(笑)。
by monk (2009-10-20 11:37) 

yuko

monkさん
そうなんですよね。地元じゃない新しい目で見る桜島にはその価値観もあると。
私はどちらも分かるので、面白く絵を見させていただきました。



がぁこさん
ナイスありがとうございます~♪
by yuko (2009-10-21 19:24) 

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